オリジナルの自作Tシャツで注意すべき著作権・肖像権とは?NG例も解説!

オリジナルTシャツを自作するにあたり、著作権上問題ないのかと不安に思う方も多いのではないでしょうか。

そもそも著作権とは、「作品を創作した人に与えられる権利」のことです。既存のキャラクターやロゴマークなどを無断で使用すると、著作権の侵害にあたるので注意しなければなりません。

今回は、オリジナルTシャツを自作・販売するうえで知っておくべき著作権・肖像権について、NG例とともに詳しく解説します。

創作物が対象の「著作権」とは

まずは、「著作権」の概要や、著作権侵害に該当するケースなどを解説します。

著作権の概要

著作権法で定められている「著作権」とは、作品を創作した「著作者」に与えられる法的な権利のことです。

著作権は、創作した時点で自動的に発生し、著作者の権利は以下の2つに分けられます。

(1)著作者人格権=自分の意に反して著作物の公表・改変などが行なわれない権利
(2)著作財産権=著作物による利益を奪われない権利

上記の内容からもわかるように、著作権制度の目的は、創作物を保護して著作者の利益を守り、文化の発展を後押しすることです。

他人の著作権を侵害するとどうなる?

著作権を侵害した場合、民事上の責任を追及されかねないため注意が必要です。場合によっては刑事罰が科される可能性もあります。    

例えば、他人の創作したイラストを無断でプリントし、自作Tシャツとして販売した場合には著作権侵害に当たります。この場合、民事上の責任として、著作権者から損害賠償の請求を受けたり、著作権の侵害行為の差止めの請求を受ける可能性があります。

■人物が対象の「肖像権」とは

続いて、自作Tシャツを販売するうえで、著作権とともに知っておきたい「肖像権」の概要も見ていきましょう。

肖像権の概要

肖像権とは、おもに自身の容姿を無断で撮影・公表されない権利のことです。この権利は法律で明文化されてはいないものの、スポーツ選手や芸能人などの有名人だけでなく、一般人にも肖像権が認められています。

肖像権には、次の2つの側面があります。

(1)プライバシー権=自身の容姿を無断で撮影・公表されない権利
(2)パブリシティ権=有名人が持つ「大衆を引き付ける力」から生まれる利益を奪われない権利

上記(2)のパブリシティ権は、有名人の肖像が持つ経済的な利益や価値を守るための権利で、財産権に即していることも特徴です。

肖像権侵害が認められやすい例としては、顔がはっきりとわかる写真が、本人の許可なく撮影・使用されている場合などが挙げられます。また、SNSなど不特定多数の人が閲覧できるプラットフォームで、無断公開されている場合も同様です。

他人の肖像権を侵害するとどうなる?

先述したように、日本には肖像権について定めた法律がないため、原則として刑事上の罪には問われません。

しかし、民事上の責任は発生し、肖像権を侵害された本人から損害賠償を請求されたり、画像の使用を差止請求されたりする可能性があります。

また、相手の名誉を傷付けるようなデザインの場合、名誉毀損罪に問われるおそれもあります。

オリジナルの自作Tシャツで著作権・肖像権侵害になってしまうNG

ここからは、オリジナルの自作Tシャツが著作権・肖像権を侵害してしまう代表的なケースを5つ紹介します。
安全に自作Tシャツを作成するためにも、しっかり確認しておきましょう。

(1)有名人の写真や似顔絵

インターネット上にある有名人の写真を無断で使用したり、有名人だとわかる似顔絵をデザインの一部にしたりするのはNGです。

このNG例のポイントは、似顔絵にも肖像権がある点です。今回のように有名人でなくとも、他人が映り込んだ写真や他人の似顔絵を許可なくデザインに利用すると、肖像権侵害に該当します。

特に、有名人の場合は、パブリシティ権侵害の側面も強いため注意が必要です。

(2)アニメや漫画のキャラクター

アニメや漫画のキャラクターをアレンジしたイラストを、デザインの一部にするのもNGです。

無断で元のキャラクターを改変したり、模写ではなくとも元のキャラクターを連想させるイラストを使ったりすることは、著作権侵害に該当します。

いくら好きだからといっても、既存のキャラクターは許可なく使用しないようにしましょう。

(3)企業やブランドのロゴマーク

いわゆる「パロディ」や「オマージュ」でも著作権侵害となる可能性が高く、例えば「ブランド名を1文字だけ変えたロゴマークをデザインに盛り込む」などはNGです。

企業・ブランドロゴが商標登録されている場合は、著作権侵害に加え、商標権侵害になるおそれもあるため注意しましょう。過去には、ロゴマークの使用が商標権侵害にあたるとして、使用の差し止めと損害賠償が請求されたケースがあります。

ちなみに、パロディは「おもに既存のイメージから風刺的に創作すること」を指し、オマージュは「既存の作品などをアイデアの源泉として創作すること」を指します。

(4)他人が撮影した写真

他人が撮影してSNSに投稿した風景写真を、無断で使用するのはNGです。このNG例のポイントは、人物が写っていないことで肖像権として問題がなくても、写真は「著作物」に該当する点です。

他人が撮影した写真を鑑賞して楽しむ分には問題ありませんが、許可なく使用すると著作権法に違反するため注意しましょう。

(5)楽曲のタイトルや歌詞

著作権は楽曲や歌詞、小説などにもあるため、例えば「流行している楽曲のタイトルや歌詞を自作Tシャツのデザインに盛り込む」ことはできません。また、楽曲の譜面をデザインとして取り込むのも、NG行為に該当します。

ただし、よくある言葉や固有名詞などは、著作権侵害にならないケースもあります。

とはいえ、よくある言葉や固有名詞でも、元の著作物を連想できてしまうと著作権侵害にあたるおそれがあるため、基本的にはオリジナルでTシャツを自作するのがおすすめです。

自作Tシャツで著作権・肖像権侵害に該当しないケース

そもそも完全オリジナルデザインの自作Tシャツであれば、著作権や肖像権を侵害することはありません。

その点を踏まえたうえで、完全オリジナル以外のデザインの場合でも、著作権・肖像権を侵害しないケースを見ていきましょう。

すべて自作で私的使用の範囲内に留める場合

「私的使用」の範囲に留める場合は、著作権侵害にはあたりません。私的使用とは、自宅内などの限られた範囲で、アイテムを使用することを指します。

例えば、好きなキャラクターのイラストを描いてTシャツを作成し、部屋着にするのは私的使用に当てはまります。

ただし、次のようなケースは、著作権法違反となるため注意が必要です。

  1. 家庭内で使用する目的だが、Tシャツの作成を業者へ依頼した場合
  2. 普段は部屋着として使っていたが、Tシャツ姿で外出した場合
  3. 自宅でTシャツを製作したが、友達に配った場合(有償無償を問わず)

特に気を付けたいのは、(1)「Tシャツの作成を業者へ依頼した場合」も、私的使用からは外れる点です。既存のキャラクターで私的使用するTシャツを作るには、すべて自作しなければならないことを、しっかり覚えておきましょう。

著作者の許可を得ている場合

作品を創作した著作者や、写真に写っている人物から使用許可を得た場合は、基本的に著作権・肖像権の侵害にはみなされません。

ただし、口頭ではなく、できる限りメールやFAXなどの書面でその作品や写真をどのように利用するつもりかを具体的に説明した上でその利用の仕方について許可をもらっておきましょう。万一、あとでトラブルに発展しても、こちらが不利な立場にならないようにするためです。

また、著作者の許可を得るには、相応の対価が必要になることもあります。

著作権フリー素材を使用する場合

インターネット上にある著作権フリー素材は、著作者の許可なく使用できるものが多くあります。写真やイラスト、テンプレートデザインなど、これらのフリー素材を使用すれば、著作権侵害にはあたりません。

ただし、「フリー素材」だからといって、著作権を全般的に放棄しているとは限らないため注意が必要です。例えば、「商用利用は可能だが、商品化して販売はできない」などと利用目的を制限していたり、加工を禁止していたりする場合があります。著作権を侵さないようにするためにも、利用規約は必ず確認してください。

まとめ

今回は、Tシャツを自作する際に知っておくべき著作権・肖像権の内容や、NG例などを紹介しました。著作権・肖像権の侵害を防ぐには、権利者からしっかりと許可を得ることが大切なポイントです。

著作権・肖像権を気にせずに自作Tシャツを販売したいのであれば、完全オリジナルデザインで作成するのがよいでしょう。

「SUZURI」を利用すれば、画像1枚をアップロードするだけで、簡単にオリジナルTシャツを販売できます。

今回紹介した内容を参考にしつつ、ぜひ理想の自作Tシャツを作成・販売してみてはいかがでしょうか。

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