第二話 ー芽吹く時ー 世界に愛されるキャラクターへ。今も変わらない根っこにあるもの。 interviewed かなざわまこと


クリエイターさんにお会いし、その経験や想いをキリトリ「つくる」ヒントをいただくインタビューコンテンツ。ゲストは、世界で愛されるキャラクター「おひげのポン」の生みの親、かなざわまことさん。全三話でお届けいたします。

大好評だった第一話に続き、第二話では、無名の状態から世界で愛されるキャラクターに至るまで大切に守りぬいてきたことについてお話を伺いました。


<かなざわまこと さん>

新潟県出身。大学院卒業後パッケージメーカーの営業職を経て、フリーランスとしてイラストレーター、キャラクターデザイナーの活動を開始。NHKの番組キャラクターや、様々な企業キャラクターを制作。オリジナルキャラクター「おひげのポン」は日本をはじめ台湾やタイなど海外での人気も高く、さまざまな企業とのコラボグッズが販売されるなど、国内外での活動を展開。著書に絵本「おひげのポン」「おひげのポンといじわるガハハ」(学研)等がある。




 「おひげのポン」ちゃんのデザインは、どのように生まれましたか? 

「昔から犬が好きだったのですが、社宅暮らしでどうしても飼えなかったんです。その飼いたかった気持ちが強くなり、キャラクターを描く時にモチーフは絶対犬にしたいなって思っていました! そこにもう 1 つの好きな要素の”ヒゲ”を合体させました。チャップリンやカトちゃんの影響で『ヒゲはユーモアの象徴』と考えていたので、僕が作品を通して届けたい『人の心を少し楽しく明るくするユーモア』を表現するには”ヒゲ”がとてもいいなって思っていました。

思い返すと、僕自身色々なキャラクターに救われることが多かったんです。キャラクターの優しく温かいパワーを知っているからこそ、僕も人の心をほんの少しだけでも温かく明るくできるキャラクターを描きたいと思うようになりました!」

やさしさと、たのしさと、ユーモア。かなざわさんが大事にされていることが「おひげのポン」ちゃんとなって生まれてきたんだな、そう感じました。だから、多くの人をたのしませ、励まし、笑顔にできる。愛さずにはいられない「おひげのポン」ちゃんの見た目の訳に納得です。

(画像 : 上)かなざわさんの生み出したキャラクター「おひげのポン」
(画像 : 下)「おひげのポン」スケッチを制作する様子


最初から、絶対「おひげのポン」ちゃんならいける!って思っていましたか?

「いける!というより、僕はこれを、ずっと描いていたい!って思ったんです!」
なんて晴れ晴れとした力強い選択! 一貫してかなざわさんの選択には、「好き」という軸が真ん中にまっすぐ通っていました。自分らしい姿勢が、ブレることなくまっすぐ上へ伸びていく秘訣なのかもしれません。



 「おひげのポン」ちゃんは、かわいいだけじゃない、何か伝えたい想いがあるようにも感じます。そのような意図はありますか?

「ポンちゃんは言葉を話さないんです。なので“絵の表現“だけで、できるだけ状況やユーモアをわかりやすく伝えることを心掛けています。ありがたい事に、その言葉が少ない表現だからこそ、海外のお客様とのご縁にも繋がったのかもと考えています。また、言葉が少ない表現にしたことで、相手に受け取り方をゆだねる「余白」を作ることを大切にしてます。

僕が会社員だった頃、尊敬する上司が「“私は“こう思うのだけれど」という決めつけない話し方をしてくれていました。その方の影響を受けて、僕も相手にゆだねる「余白」のある伝え方を見習うようになりました。人によって受け取り方や捉え方もちがう。だからこそポンちゃんの作品では、断定的に決めつけずに相手に解釈をゆだねる部分も残した画面作りをしたいと考えています。」



1コマまんが「おひげのポン」 【あなたが与えるものは、あなたが受け取るもの】

こうあるべき!答えはこれ!と断定的な情報であふれる今、ポンちゃんは言葉なく、心をオープンにしてその人らしさを認めている。だから、すっと心になじみ元気をもらえるのだと思いました。

「いつも幸せそうな人って、その解釈の仕方が素晴らしいのだ!と、あるとき気が付いたんです。解釈の仕方次第で、悪い出来事も良い出来事に思えたりして、物事の捉え方で人生は豊かになっていくのかもと。

なので、その『解釈力』を鍛える為に、数年前から『おひげのポンの本』という本をつくっています。僕は言葉にも助けてもらうことが多い人生だったので、これからは『絵の表現+言葉』で、より観てくれた方の心を温かくできる作品を作っていけたらいいなぁ〜って思っています。」




相手にゆだねながらも、見た人、読んだ人が、その人らしい道を選ぶには『解釈力』も大切。やさしさとユーモアで解釈力が自然とたのしく育つように作っているかなざわさん。底知れぬやさしさに、何度も感動するインタビューでした。

あとがき:

私たちの仕事でも”多くの人に支持されるモノをつくる”ことに挑戦し、知らない誰かの好きなもの・欲しいものを一生懸命想像して制作することがあります。

そこに必ずあるべきものは”愛する”ことなのだと、かなざわさんのお話から気付かされました。生み出すそのモノをだれよりも自分自身が一番愛していること。だからこそ、ただのモノで終わらずに、魂が宿るように愛のこもったモノが生まれ、色々な未来が拓かれていく。

モノづくりをするうえでの基本なのに、なぜか指の間からするするこぼれてしまいがちな大切なことを、かなざわさんが丁寧にやさしく拾い戻してくれたように思います。そんな、あたたかくて力強いインタビューでした。

第三話では、かなざわさんに「クリエイターとして歩み続けるためのヒント」をお話いただきます。





Written by : EandY
Photo by : junjun

※この記事の内容は公開当時の情報に基づいています。現在の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

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